データヘルス計画とは、国の成長戦略として健康診断の結果データや医療情報(レセプト)等のデータ分析に基づき、Plan(計画) Do(実施) Check(評価) Act(改善)のサイクルで効率的・効果的な保健事業を実践する取り組みです。
オートバックス健康保険組合の取り組み
オートバックス健康保険組合は、厚生労働省のモデル健保組合として、このデータヘルス計画に取り組んでいます。健康リスクについては健康診断の結果を階層化し、そのレベルに応じた介入方法によって効果的な結果を生んでいます。また、みなさまの日頃の生活実態に応じて職種別に分類し、食習慣や運動習慣の違いを把握したうえで様々な保険事業を実施しています。
さらに、オートバックス健康保険組合では事業主と協働し、皆様の健康づくりに対してデータヘルス計画を展開しています。健診結果データや通院履歴などのデータを元に疾病リスク者に対しては会社と手を結び、コラボヘルスとして皆様への対応を行っていきます。
モデルケースとしての取り組み
事業主との協働事業(生活習慣病の発症予防、重症化防止活動)として、まずはオートバックスセブンをモデルケースとして取り組みを行っています。
オートバックスセブンでも社員の労働環境は部署により様々です。その環境の違いを把握し、しっかりとした実行フローを構築することが大切だと考えます。また、このモデルケースのしくみを活かし、最終的には健康保険組合に加入している全子会社まで展開することを目指しています。
「事業主との協働」
健康リスクの「見える化」による生活習慣病の発症予防と重症化防止活動の実践
顧問医監修による健康リスク階層化基準に基づき、加入者全員の階層化と、各ヘルスゾーンごとのリスク者減少を狙った「生活習慣病対策事業」を実施しています。
- ブラックゾーン(突然死リスク者)とレッドゾーン(要医療域)対象者には、二次健診案内送付による医療機関受診勧奨と受診後の人事部長への二次健診受診報告書提出の義務付けました。また、ブラックゾーンの未受診者に対しては人事部長による面談指示、レッドゾーン未受診者は直属の上長よる面談指示により、医療職における受診勧奨面談を実施しています。
- イエローゾーン(境界域)対象者は、健康センターの健康研修(1泊2日)にて生活習慣改善の集中指導、グリーンゾーン(健常域)も含めた健康風土醸成に向けた生産的な職場づくりを実施しています。
突然死/突然入院のリスクがある事業主親会社の被保険者を抽出し、健保組合の顧問医がきめ細かい保健指導・受診勧奨を実施することで、突然倒れるケースを撲滅します。
【特徴】
- 健康リスクの階層化による各ヘルスゾーン毎の対策において、要治療・要検査の該当者を会社の指示と医療職による直接指導により、予防から医療へと的確な連携を図っています。
- 要生活習慣改善該当者においては、人事制度による健康研修を受講する仕組みがあり、組織全体の健康風土醸成が、個々人の健康意識向上につながっています。
- データ分析による適切な疾病管理・健康管理を実践することにより、個々人の健康寿命を延ばすことに貢献できると考えています。
- 健診結果の見える化により、後押しがあるものの、自分で病院に行くように行動様式が変化し、早期治療により重症化防止につながっていると考えます。
【成果】
事業主と連携してブラックゾーン、レッドゾーン対策を行う体制構築ができ、顧問医・産業医・保険師及び外部委託医療職による面談実施からフォローアップまで、連携による効果的な実施フローが確立することができました。(これは、事業主が「健康宣言」を出し健康経営に取り組んだことにより、健康管理に関する最高責任者である人事部長が、安全衛生法に則り突然死防止を組織のミッションとして捉え、自ら先頭に立って体制構築を推進したことによるものす。)
また、平成25年度のブラックゾーンのすべての対象者が受診中(継続中)となり、対象者の62.5%(16名のうち10名)がH26年度の健診結果でブラックゾーンを脱出するなどの成果を上げています。
さらに、一部の上司が部下の健康状況を気遣う等の変化が表れている他、社員同士でも健康を気遣うなどラインケアの風潮が出来つつあり、健康風土醸成が広まっています。