【2016】がん検診項目について

オートバックス健康ドックのオプションとなるがん検診項目です。
それぞれのがん検診の種類や方法、受けられる年齢がありますので、お手元の「健康診断のご案内」と合わせてご確認ください。
被保険者で対象年齢であれば、費用は無料。被扶養者・任意継続者の方は、対象年齢であれば自己負担3000円で受診できます。(対象年齢は2017年3月31日時点の年齢)

項目 種類 方法 推奨年齢
胃がん ペプシノゲン *1 採血 40歳以上
胃粘膜の萎縮の広がりとその程度、胃液の分泌機能、胃粘膜の炎症の有無がわかります。胃粘膜の萎縮が進行すると、胃粘膜が薄くなり、そこから胃がんが発症する可能性が高くなるので、萎縮性胃炎をチェックして胃がんのリスクを調べます。
この検査だけでは胃がんかどうかまでは判断できないので、「陽性」であった場合は胃部内視鏡検査をして、確定診断を受けることが勧められます。
胃がん ピロリ菌検査 *1 採血 40歳以上(過去未検査の方)
ヘリコバクターピロリに感染しているかどうかをみます。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因の多くがヘリコバクターピロリの感染です。感染していることがわかったら、ヘリコバクターピロリの感染による潰瘍であることを確認するための内視鏡検査をして、抗菌薬の内服にて除菌をします。
胃がん 胃部内視鏡 *1 内視鏡 40歳以上
胃まで直接カメラを入れて、食道~胃~十二指腸までを観察します。潰瘍やポリープ、炎症、腫瘍などの状態が鮮明にわかります。のどから入れる場合と、鼻から入れる場合があります。
以前はのどから挿入するカメラに比べて鼻から挿入するカメラは径が小さいので、画像鮮明度が劣ると言われていましたが、最新の機器では大差ないと言われています。
のどからの挿入では、嘔吐反射が刺激され、どうしても「おえっ」となってしまうなど苦しい思いをすることが多く、それに比べて鼻からの挿入では吐き気も少なく、カメラが細い分、のどを通る違和感も少なく済むため、こちらの方が楽、と話される方が多いです。
カメラの種類や検査方法は、施設によって異なるので、申し込みの前に問い合わせてください。
項目 種類 方法 推奨年齢
大腸がん 大腸便潜血 検便 40歳以上
大腸の中に潰瘍やポリープ、がんができていると出血することがあります。排出された便の中に血液の反応があるかどうかを調べ、出血がないかどうかを確かめる検査です。出血があったからといってがんだというわけではありませんが、身体のどこで、どんな理由で出血が起きているのか調べるため、精密検査が必要になります。便潜血検査には、1日法や2日法があり、1日のうちに2回、便を採取したり、もしくは2日続けて便の一部を採取したりして調べます。
項目 種類 方法 推奨年齢
*乳がん マンモグラフィ *2 X線撮影 40歳以上
乳房をX線撮影装置で撮影し、画像で診断します。左右の乳房を片方ずつ挟んで圧迫し撮影します。視触診では見つかりにくい小さながんがマンモグラフィで見つかることもあります。石灰化の描出が得意で、しこりをつくらない早期のがんの発見に優れています。閉経前の乳腺の発達した方では、正常組織とがんの見分けがつきにくいことがあるので、40歳以上の方にお勧めしています。X線検査なので妊娠中の方は受診できないことがありますので、申し出てください。その他、ペースメーカーを入れている方、豊胸手術を受けられた方も受診できないことが多いです。
*乳がん 乳房エコー *2 超音波検査 40歳未満
超音波で乳房を観察します。乳腺は白く、がんは黒く映ります。腫瘤を見つけるのが得意ですが、良性と悪性の区別をするのが難しいことがあります。
項目 種類 方法 推奨年齢
*子宮がん 子宮頚部細胞診 細胞診 全年齢
内診にて、子宮の入り口(頚部)の組織を綿棒のようなものでこすり取ってきます。子宮頚部の細胞に異常がないか、顕微鏡で判断されます。子宮頚部の病変は異形成(前がん病変)からがんへと進展することがわかっています。その細胞診の判定基準は、近年ベセスダシステムによる分類が主流になってきました。
項目 種類 方法 推奨年齢
腹部5臓器 超音波検査 40歳と50歳以上
肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓・前立腺や膀胱、子宮や卵巣、大動脈など多くの臓器の観察ができます。各臓器の腫瘤や炎症、ポリープや結石、血管腫、嚢胞、石灰化などの病変をみつけることが得意です。
B,C型肝炎 採血 40歳以上(過去未検査の方)
肝炎ウイルスに感染した肝臓は、長い年月を経て肝硬変から肝がんに移行していきます。早期に肝炎ウイルスに感染していることを把握し、肝機能の状態を見ながら定期受診をしていくことで、肝硬変への移行を抑制することができます。
一度も検査をしたことのない人は、ぜひ一度感染の有無を知ってください。
★前立腺がん PSA 採血 50歳以上
前立腺に特異的な抗体で、前立腺に異常があると高値になります。その他、前立腺肥大症や炎症でも高値になりますので、PSAが高かったからと言ってがんと決まったわけではなく、精密検査が必要になります。
以下の項目は、法定健診(被保険者)・一般健診(被扶養者・任意継続者)の項目に含まれています。
項目 種類 方法 推奨年齢
肺がん X線撮影 全年齢
X線で肺全体を1枚から多くて2枚撮影します。必要に応じ受診者の過去のX線写真と比較して変化をみることもあります。X線検査は肺野部のがん(主に腺がん)を見つけるのに適しています。

★男性のみ(前立腺がん)
*女性のみ(乳がん・子宮がん)

*1:胃がん検診は、「ペプシノゲン・ピロリ菌検査」か「胃部内視鏡」どちらか一方となります。
*2:乳がん検診は「マンモグラフィ」か「乳房エコー」のどちらか一方となります。