”メタボ健診”で、“足し算・引き算の生活改善”をみつける

保健師コラム<2022年度(3月号)> シリーズ「みつけて、対策」)

第12回目は、”メタボ健診”で、“足し算・引き算の生活改善”をみつける です。

Aさん  「この前受けたメタボ健診で、中性脂肪が高いって言われたんだ」
Bさん  「中性脂肪が高いと、脂肪肝や動脈硬化の原因となるのよ。中性脂肪が増える原因には、甘い物の摂り過ぎがあるといわているけれど、心当たりはない?」
Aさん  「オレには関係ないな。」
Bさん  「あれ?でも最近、仕事しながら毎日オレンジジュース飲んでない?」
Aさん  「あれは、“摂ってる”でなくて、“飲んでる”だよ」

“メタボ健診”は特定健診の通称です。“血圧はあがっていないか” “血液中の脂質が多くないか” “糖尿病の兆候である血糖値が高くないか”など、将来の動脈硬化による大きな病気につながる兆候を“みつけるために行われています。それらを改善するために必要なのは、その原因となっている「ご自身が毎日何気なく繰り返している生活習慣」の改善です。

でも、時間がない、何をやればよいかわからない、取り組んでも続かないなど、“みつけて、対策”に難しさを感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、メタボ健診で異常が見つかった時のご自身でできる対策の視点として、「足し算の対策」と「引き算の対策」を知っていただきたいと思います。

Aさんは、「中性脂肪が高い」といわれたので、インターネットを検索し、「中性脂肪を下げるには、乳酸菌がよい」との記事をみつけました。「乳酸菌=ヨーグルト」と思ったAさんは、毎朝、ヨーグルトを食べることにしました。「足し算の対策」に取り組まれはじめた素晴らしい変化です。でも毎日食べ始めたヨーグルトには、果物たっぷり、お砂糖も添加してあるものであったら・・・。中性脂肪をあげる甘い物を、追加で摂ってしまうことになりました。

またAさんは、「中性脂肪を下げるには、運動が効果的」との記事をみつけました。運動を始めるのは、「足し算」の対策です。毎日、忙しいAさんは、短い時間でもできる「腹筋運動」を頑張って続けていましたが、実はAさんは腰痛もちで、正しいフォームで腹筋運動をしていなかったために、かえって腰痛が悪化してしまいました。

足し算を全て否定するわけではありません。でも異常の原因となっている生活習慣が、“●●のとり過ぎ”が原因であるとアドバイスされたら、「足し算の対策」に取り組む前に、まずは「引き算の対策」を探してみましょう。

「引き算の対策」はすなわち、からだに良くないものが入ってくる行為をやめることです。

いきなりやめるのはチョッと・・という方は、例えば、
「毎日とっていたら、2日に1回にする」
「たくさん摂っていたら、2割くらい減らしてみる」
「いっそ、期間を決めてやめてみる」
などはいかがでしょう。

時間がない、何をやればよいかわからない、取り組んでも続かない・・と感じられている方こそ、まずは「引き算の対策」を、はじめてみませんか。

●メタボ健診結果による各項目の“みつけて、対策”は、“健診結果のみかた”をご覧ください。
リンクはこちら→ https://autobacs-kenpo.jp/2022mikata-2/