“かかりつけ医”がありません

保健師コラム<2023年度(10月号)> シリーズ「上手な病院のかかり方」

2023年度シリーズ「上手な病院のかかり方」

第7回目は、「“かかりつけ医”がありません」です。

先日、私の友人がコロナにかかった時のことをぼやいていました。「コロナがすごく流行っていた時に、病院にかかりたかったんだけれど、まずは“かかりつけ医”に相談してくださいといわれて・・。
日頃、あまり病院にかからないほうなので、“かかりつけ医”といわれても、困ったんだよねえ・・。」

日本の医療制度は、「フリーアクセス」といわれ、患者さんは日本中の行きたい病院を好きに選んで受診することができます。
一見、便利そうですが、その反面、自分で自分の健康状態にあった病院を探したり、ちょっとした健康の心配事が相談しにくかったり、また年齢を重ねると健康を害する部分も増え、内科だけでなく、眼科、耳鼻科、歯科など複数の医療機関をはしごしなければならない状態になりがちです。

諸外国ではプライマリケア医と呼ばれる医師がいます。
プライマリケア医は初期的な診断と治療を行い、必要に応じて、専門医を紹介する医師をさします。またプライマリケアは、個々の病気のみを対象にするのではなく、患者の心身の状態や過去の病歴、家族・生活環境などにも配慮します。
つまり、病んでいる方の全体像をとらえて診療する総合的・継続的な医療です。
「本来あるべきかかりつけ医」は、このプライマリケア医の行う診断治療に、予防や福祉のサービスを追加したものだと言えます。

しかし現在の日本では、「本来あるべきかかりつけ医」は、患者である私たちが自分の目で選んで探さなければなりません。
医師と信頼関係を築く一歩は、コミュニケーションです。次のような目安で、かかりつけ医を探しておきましょう。

  • 健康に関することを何でも相談できる人
  • 話しやすい、説明がわかりやすい、安心できる
  • お住いの地域や、職場近くにあり身近である

でもなかなかすぐには見つからない・・・そんな時は、
まずは電話相談を利用して下さい。親身に対応してくれますよ。

●オートバックス健康保険組合 被保険者・被扶養者が利用できる24時間電話健康相談サービス
【2023】24時間電話健康相談サービス・セカンドオピニオンサービス | オートバックス健康保険組合 (autobacs-kenpo.jp)

●かかりつけ医とは(厚生労働省)
厚生労働省|「かかりつけ医」ってなに? (mhlw.go.jp)