「週1回以上の休肝日を作ります」

「週1回以上の休肝日を作ります」

保健師コラム(2021年度第4回)

保健師がお勧めする「7つの健康習慣」

1)良質な睡眠をとります
2)喫煙しません
3)週2日以上、軽く汗をかく運動をします
4)週1回以上の休肝日をとります
5)持病の服薬・定期受診を継続します
6)朝食をとります
7)食事はよく噛み、腹八分目にします

休肝日」・・。この言葉から連想されるのは、「お酒の飲み過ぎで疲れた肝臓を休ませたい」場面でしょうか。

アルコールの飲みすぎによりにいろいろな臓器に病気が起こりますが、なかでも肝臓病は最も高頻度で、かつ重篤にもなる病気です。そのことから、「休肝日」は肝臓を休めるために、週に1日以上飲酒しない日を設けることを推奨する目的で作られた造語です。

適度な飲酒は気分をリラックスさせストレス解消になりますが、アルコールは「依存性薬物」であるため、飲み方に注意をしなければなりません。習慣的な飲酒を継続していると耐性が発生し、徐々に飲酒量が増加する危険性があります。休肝日を設けると飲酒総量が減るので肝障害が予防できる可能性があります。しかし、反動で飲酒する日の飲酒量が増えるかもしれません。

休肝日を設けられるか否かで、アルコール依存症のような問題飲酒の顕在化には役立ちます。アルコール依存症や予備群であれば、休肝日にはイライラしたり寝付きが悪かったりするため、休肝日を継続することに失敗するからです。

節度ある適度な飲酒量は、1日平均純アルコールで20g程度といわれています。20gとは大体「ビール中ビン1本」「日本酒1合」「チューハイ(7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」などに相当します。

気を付けたいのは、女性や高齢者、また少量の飲酒で顔面紅潮をきたす等のアルコール代謝能力が低い方は、通常の代謝能を有する人よりも少ない量が適当といわれます。

昔から「酒は百薬の長とはいえど、よろずの病は酒よりこそ起これ(徒然草、兼好法師、鎌倉時代)」といわれます。飲み過ぎを防ぐためには、「いつ飲み始めたか」「どの酒を、どの程度飲んだか」を把握する、これは「飲酒運転」を防ぐためにも、心がけたいポイントです。

▼もっと詳しく知りたい方はこちら▼
●休肝日
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-063.html

●アルコール依存症スクリーニングテスト
https://kurihama.hosp.go.jp/hospital/screening/audit-c.html

●飲酒量の単位
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-001.html

●アルコールの運転技能への影響
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-06-006.html

次回は、「持病の服薬・定期受診を継続します」です。