健康診断結果で、’血管年齢’をみつける

保健師コラム<2022年度(10月号)> シリーズ「みつけて、対策」)

第7回目は、健康診断結果で、’血管年齢’をみつける です。

ピットスタッフ: 「お客さん、オイルが大分汚れていますが、何kmくらい走られてます?交換されたほうがいいかもですね」
お客様:「2万キロ以上は走ってるかな、でも調子いいし・・・」
ピットスタッフ:「ひぇー、そんなに走られてるんですか!! お客さん、エンジンはですね、人間で言えばいわば「心臓」ですよ。エンジンが動かなくなったら、車は動きません。そのくらい大切なんです・・・」
お客様:「エンジンも、自分の心臓も大切にせなあかんなあ・・・」

心臓から拍出された血液は、全身に張り巡らされた【血管】を通って、体全体にいきわたり、栄養を受け渡したり、ガス交換をしたりして、常にきれいなものを体内に循環させようします。ところがその血液自体に【血管】にダメージを与えるものが多く含まれていたら、【血管】はどうなるでしょうか。心臓から血液が送り出される血管を動脈といい、動脈の血管が硬くなって弾力性が失われた状態を動脈硬化といいます。動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こします。

エンジンオイルには、フィルターがついていて、そこできれいにしたものを循環してくれるようですが、残念ながら私たちの血液は、簡単には交換することはできません。1日24時間、1年365日、人生100年時代、時の積み重ねで、血管の壁は傷つき、硬くなっていきます。動脈硬化は、喫煙・コレステロール・高血圧・高血糖・肥満・運動不足などの危険因子が重なることによって発症しやすくなります。健康診断で体重・腹囲・血圧測定をしたり、採血をするのは、これらの検査で危険因子を”みつけて“、生活習慣の見直しなどの”対策”につなげることを目的として実施しています。

でも送られてきた健診結果票にはたくさんの検査結果が記載されていて、「結局、自分の血管の状態はどうなんだろう??」とよくわからないまま、改善への“対策”につながりにくいのが、正直な感想なのではないでしょうか。

国立がん研究センター 【循環器疾患リスクチェック】というサイトをご紹介します。これは健康診断で得られた結果をご自身でサイトに入力することで、血管の脳卒中の発症リスクをもとに、あなたの「血管年齢」も同時に推定してくれるサイトです。このサイトは40~69歳の方を対象としています。また過去に脳卒中や心筋梗塞にかかったことにある方にはこのリスク診断を当てはめることができません。例として、45歳男性の架空データを入力してみました。この男性は、チョッと肥満、たばこを吸っています。検査結果は受診が必要なレッドレベルではないイエローレベルの方です。それでも、危険因子が積み重なると、血管年齢は65歳に!!
おもしろそう!と興味をもっていただけたら、是非、今年のご自身の健診結果を入力してみてくださいね。

循環器疾患リスクチェック(国立がんセンター)➡ https://epi.ncc.go.jp/riskcheck/circulatory/