“便検査”で“大腸がん”を‘みつける’

保健師コラム<2022年度(5月号)> シリーズ「みつけて、対策」)

第2回目は、“便検査”で“大腸がん”を‘みつける’ です。

「40歳以上の方は、健康診断の時に“便をとって提出してください”」
「えっ!ワイの腹には、虫はおらんぞ。」
「いえいえ、昭和の時代のギョウチュウ検査※ではありません。
便に混じった血を調べることで、“大腸がん”がみつかるのです。」

※注:ちなみに蟯虫検査は肛門に粘着テープをはって行う検査なので、お間違えなく。
2015年に廃止されたそうです。懐かしいですね。

大腸がんになる人は増えています

大腸がんは、罹患する人(かかる人)が増加しており、わが国のがんによる死亡原因の多くを占めています。
大腸がんは、早期に発見すれば高い確率で完全に治すこと(治癒)ができます。しかしながら、早期のうちは自覚症状がないことが多く、自覚症状が現れた時には既に進行している可能性があります。だからこそ、無症状の時に年に一度大腸がん検診を受け、早い段階で大腸がんを発見し、適切な治療を受けることが大切です。

大腸がん検診の推奨検査法は“便潜血検査”

大腸がんの死亡率を減少させることが科学的に認められ、大腸がん検診として推奨できる検診方法は「便潜血検査」です。2日分の便を採取し、便に混じった血液を検出する検査です。がんやポリープなどの大腸疾患があると大腸内に出血することがあり、その血液を検出する検査です(通常は微量で、目には見えません)。

がん検診の目的は早期に発見し、適切な治療を行うこと

これまでの研究によって、胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がんの5つのがんは、それぞれ特定の方法で行う検診を受けることで早期に発見でき、さらに治療を行うことで死亡率が低下することが科学的に証明されています。早期で見つけられれば、がんは決して怖い病気ではありません。オートバックス健康ドックのオプション検査では、対象年齢の方が無料で受けられるがん検診がありますので、是非、ご活用ください。

精密検査は、早期がんをみつけられるチャンス!

大腸がん検診の精密検査は、大腸内視鏡検査です。下剤で大腸を空にしたあとに、内視鏡を肛門から挿入し、直腸から盲腸までの大腸の全部位を観察し、がんやポリープなどの病変の有無を確認する検査です。必要に応じて組織を採取し悪性かどうか診断します。「精密検査が必要」と判定されたら早期がんをみつけられるチャンスと考え、自分のため、そして心配してくれる周りの人のためにも、精密検査を受けるようにしましょう。

健保の補助金制度を活用しよう(2022年度からの新制度)

大腸がん検診で精密検査が必要な方のご自宅に、健保組合から「精密検査のご案内」を郵送します。ご自身が健康保険を使用し、医療機関で受けた精密検査の自己負担分を¥10,000まで補助いたします。