40歳になったら“歯周病”を‘みつける’

保健師コラム<2022年度(6月号)> シリーズ「みつけて、対策」)

2022年度シリーズ「みつけて、対策」

第3回目は、40歳になったら“歯周病”を‘みつける’ です。
「最近、歯医者に行ったら、スタッフがオレ好みでさあ」
「オレもそうだったけど、いろいろ勧められて気づいたら請求書が・・・」
「マジ!・・・・・・・」
※注:ちなみに、審美的歯科矯正(見た目をよくするための歯列矯正)やインプラント手術は自由診療ですので、高額医療費制度ができないということを知っておきましょう。

歯周病は「沈黙の病気」

虫歯や歯が抜けたりすると、「痛み」や「噛めない」などの問題が自覚できるので、比較的早い段階で歯医者さんに行くのではないでしょうか。一方、Silent disease(沈黙の病気)とよばれている自覚症状の少ない歯周病は、なかなか受診に結びつかないと考えられます。

歯周病は仕事のパフォーマンスに影響する

歯周病をそのまま放置すると徐々に進行していき、歯がグラグラと動くようになると歯を食いしばって力を出すことができなくなります。また、歯肉からの出血や排膿(うみが出ること)がみられると、それが原因となって強い口臭が発生して、周囲の人を不快にさせてしまう可能性もあります。そのようなことがお仕事でのパフォーマンスに影響し、生産性の低下に関連することもいわれています。

40歳代から歯周病は始まっている

歯周病は「歯周ポケット」と呼ばれる、歯と歯ぐきのすき間にある溝からはじまります。歯周ポケットがある人は年齢が増すにつれて高い傾向を示し、45歳以上では過半数を占めます。また全年齢層の約4割の人に歯肉出血が認められます。オートバックス健保組合の40歳代の被保険者の方で5年間まったく歯医者さんにかかったたことがない人の割合を調べたところ、3割の方が歯医者さんに行っていませんでした。この中には歯周病が始まっているのに、自覚症状がないので歯科医院に行かない方も多く含まれているのではないでしょうか。

“かんたん歯科チェック”で、お口の中をのぞこう

歯周病の有無は本人が歯肉の状態を鏡で観察するだけではわかりにくく、定期的に歯科健診を受けて歯肉の状態や歯周ポケットの深さを調べてもらうことが必要です。でも、「昔のトラウマで歯医者は怖い!」と、思われた方は、まずはご自身のお口の中の状態をみてみませんか。健保組合では、アプリを使って楽しく歯の状態を知ることができるプログラムをご提供します。歯周病が気になるのは40歳代からです。今年度末に40歳になる被保険者の方には、 “かんたん歯科チェック”キットをもれなく全員に送付します。人生100年時代、40歳になるこの年に歯のこと、そして“これからの健康”について考えてみましょう。