睡眠検診で、“睡眠時無呼吸症候群SAS”を‘みつける’

保健師コラム<2022年度(6月号)> シリーズ「みつけて、対策」)

第4回目は、睡眠検診で、“睡眠時無呼吸症候群SAS”を‘みつける’ です。
ご夫婦でドライブ中の車内の光景・・・
「ちょっと、あなた!今、居眠りしていなかった?」
「やばい、少し前にも仕事中に居眠りしてるって注意されたんだ」
「そういえば、ひどいイビキをかいてることが多いわよ。蹴ったらやんだけど・・」
「蹴ったのかよ・・・」

居眠り

そのイビキ、放っておいて大丈夫

いびきは睡眠中に狭くなった気道を空気が通るときに生じる気道壁の振動音です。横向きで寝ると改善されることもありますが、実は睡眠時無呼吸症候群(SAS)が隠れていることもあり要注意です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群は眠り出すと呼吸が止まってしまう病気です。呼吸が止まると血液中の酸素濃度が低下するため、目が覚めて再び呼吸し始めますが、眠り出すとまた止まってしまいます。
これを一晩中繰り返すため、深い睡眠がまったくとれなくなり、日中に強い眠気が出現します。

2003年にJR西日本の新幹線運転士が業務中に居眠りをして、270キロでおよそ8分間走り、岡山駅で停止位置を誤るという事件で、皆さんに知られるようになりました。
英語ではSleep Apnea Syndromeとなるため、その頭文字を取りSASとも呼ばれています。

居眠りや集中力の低下が事故を招く

代表的な症状に、日中の眠気があります。それによる最も大きなリスクが、居眠りや集中力の低下によるさまざまな事故です。睡眠時無呼吸症候群の人が交通事故を起こす頻度は、SASのない人の約2.5倍といわれています。

  • 様々な合併症も引き起こします
  • 酸素濃度が下がるため、これを補うために心臓の働きが強まり、高血圧となります。
  • 酸素濃度の低下により動脈硬化も進み、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。
  • さらに睡眠不足によるストレスにより、血糖値やコレステロール値が高くなり、さまざまな生活習慣病やメタボリック・シンドロームがひきおこされます。

セルフチェックでSASが疑われたら睡眠検診を申し込みましょう

いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)が気になるとき、いきなり病院へ…というのは少々ハードルが高いと感じる方も多くいらっしゃるかと思います。そんなときは、「簡単セルフチェック」をご活用ください。そしてSASが疑われたら、健保組合で実施する「睡眠検診」をご利用ください。 

SAS簡単セルフチェック→ https://mukokyu-lab.jp/check/