歩数カウントで、’運動不足’をみつける

保健師コラム<2022年度(11月号)> シリーズ「みつけて、対策」)

第8回目は、歩数カウントで、 ’運動不足’をみつける です。

Aさん ウオーキングキャンペーンで歩数をカウントしているけれど、芝刈りに行けば歩数が稼げるかなあ」
Bさん 「ここに、【歩数換算表】っていうのがあるわよ」

Aさん 「どれどれ、

  • ゴルフ(1ラウンド):15,600歩
  • 野球(10分):1,491歩
  • ラジオ体操(5分):660歩
  • ウインドウショッピング(60分):5,,000歩
  • 洗濯(干す・取り込む)(10分):1,000歩

かあ。日常の家事でも歩数ってカウントできるんだね。」
Cさん 「オレがやっているのも載ってるかなあ。貧乏ゆすりなんだけど・・」
AさんBさん 「それは載ってないです!!」

ウオーキングキャンペーンに参加した方は集計表に自分の歩数を記入します。それを眺めていると、自分の生活パターンと歩数との関係が見えてきます。私の場合は、家から一歩も外に出ない日は2000歩位、電車で通勤すると8000歩位でした。最近の日本人の平均(20~64 歳)の歩数は、男性が7864歩、女性が6685歩とのデータがありますが、皆さんはどのくらい歩いていましたでしょうか。

「歩く」といっても、家の中の移動や意識せずにだらだらとした歩行、大股で地面を力強く蹴る歩行、うっすらと汗ばむ程度の速歩き、また会話が何とかできる程度の息が弾む歩行など、強度にはいろいろあります。いつもの「歩き」を健康長寿が延びるような「ウオーキング」にするためには、次のようなポイントがあります。

<健康寿命が延びるウォーキング>

  • 大股で地面を力強く蹴って歩く
  • うっすらと汗ばむ程度に早歩きをする
  • 息が弾むぐらいのペースで歩く

ウォーキングの効果としては、脂肪をエネルギーとして燃焼しやすくなり、脂肪が減少することにより肥満も解消され、代謝がよくなることで血中脂質や血糖値、血圧の状態の改善にも有効です。心肺機能の維持・改善の効果もあります。

また歩くことで荷重がかかり、骨に刺激が加わるので、骨の強さが増しやすく、骨粗しょう症予防にもよいといわれています

さらに、ウォーキングには快感ホルモンの分泌を促し、精神的な緊張や抑うつ、敵意、疲労、混乱などのマイナスの感情は低下し、プラスの感情である活力が上昇するという感情への効果も報告されています。脳の血行もよくなり、脳の活性化が促されることで認知症のリスクを低減させるという報告もあります。

健康のために必要な目標歩数は、1日8000歩といわれています。
ご自身の平均歩数カウントが、1日8000歩に満たない方は、健康寿命延伸のためには歩数を増やす工夫が必要です。でも1日2000歩の人がいきなり8000歩を目指すのはなかなか大変そうです。「歩数1000歩=10分」といわれます。例えば、電車通勤の方は一駅前で降りて歩く、 会社のトイレには大回りをしていく、駐車場に停めるときは目的地よりもできるだけ遠くに停める、などなどいろいろな工夫をしていきましょう。

また歩きすぎの傾向の方は、是非、身体をいたわる習慣もプラスしてあげましょう、お風呂では湯船にゆっくりつかる、足のマッサージをする(ツボ押しもお勧め)、足を高くして寝る、ストレッチ体操をするなど、お勧めです。
2022けんぽだより秋号にストレッチ体操が掲載されています。是非、ご活用ください。