花粉症がひどいのに、病院に行っている暇がない!

保健師コラム<2023年度(2月号)> シリーズ「上手な病院のかかり方」

第11回目は、花粉症がひどいのに、病院に行っている暇がない!です。

私の友人は、毎年、花粉症で病院に薬をもらいに行き、症状をおさえてしのいでいました。これから春が来るにあたり、病院に花粉症の薬をもらいに行こうと思いつつ、忙しくて病院に行っている暇がありません。しかたなくドラッグストアの薬剤師さんに相談したところ、「スイッチOTC医薬品」をすすめられました。今年はそれを服用してなんとか春を過ごせそうです。

近所のドラッグストアなどですぐに購入できる【市販薬】は,薬剤師とカウンター越しに相談して購入することから、OTC(Over The Counter)医薬品とも呼ばれます。【市販薬】は比較的軽い症状に対して自分で選択して用いる薬、病院で処方してもらう【処方薬】は、医療の専門家が患者を診察して適切なものを指定して処方する薬という点で役割が異なります。

今まで医師の処方が必要であった【処方薬】の中でも、長い間にたくさんの人に使われていて、比較的副作用が少なく安全性の高い成分を、OTC医薬品としても販売できるように規制緩和されています。これを“スイッチOTC”といいます。“スイッチOTC”の対象薬品は年々増加し、厚生労働省が公表した“スイッチOTC対象品目リスト(令和6年1月)”によると、2771品目が掲載されています。スイッチOTC医薬品には、かぜ薬や胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫・たむし用薬、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬などがあり、軽い不調の多くはスイッチOTC医薬品で対処することが可能です。

スイッチOTC対象リスト(厚生労働省)

→ 01_S-OTC対象品一覧_R6.1.xlsx (mhlw.go.jp)

スイッチOTC医薬品などの市販薬は自分で選ぶことができますが、購入する際には薬剤師に相談して、適切なものを選びましょう。「薬剤師って、なんだか声かけにくいなあ・・・」と思ってるあなた!薬剤師は“薬のことを説明するため”に薬局にいるので、質問されると「よし来た!」とばかりに丁寧に教えてくれますよ!

購入後は、薬の説明書を読み、効能や使用上の注意、用法・用量などをきちんと確認し、正しく用いることが大切です。スイッチOTC医薬品などの市販薬を使用しても症状が十分に改善しない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

スイッチOTCをご存じですか?(全国健康保険協会)

→ スイッチOTCをご存じですか? | 都道府県支部 | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)

●セルフメディケーションのすすめ

第7回 セルフメディケーションのすすめ|健康保険の基礎知識|知って得する!?健康保険|けんぽれん[健康保険組合連合会] (kenporen.com)